Silver ring of Process
シルバーリングの作製プロセスについて
当工房におけるシルバーリングの作り方は、「測る」「切る」「削る」「打つ」「延ばす」「挟む」「穴あけ」「ろう付け」「磨く」「彫る」の工程があります。
ここでは、その作製プロセスとその工程に必要な工具についてご紹介いたします。(更新中です。)
7号リングを作る
ここでは、原材料である銀板から7号リングを作るプロセスとその工程に必要となる工具類をご紹介します。
今回は2mm厚の銀板を用いてリングを作製することにします。
- 耐火レンガなどの上に銀板を置きガスバーナーを使い銀を熱します。
- 銀板が赤く変色する前の白色に変化するまで熱し、水に浸し冷まします。
こうすることで銀が柔らかくなり加工しやすくなります。 - 仮に左の写真の幅5mmの7号リングに必要な1.5mm厚、約52mm長の銀板を確保のため、ストックしている950silverの銀板(2mm厚x60mm縦x70mm横)から切り出します。
- まずスチール定規でコンパスの幅5mmを測リマス。
- 銀板の端に沿って幅5mmのコンパスを滑らせ直線を引きます。
- 5mm幅の線は細く薄いのでマーカーなどで上書きして線を見やすくします。
- 卓上型万力に銀板を固定して糸鋸に機械油を薄く塗り線に沿ってカットします。
- 2mm厚x幅5mmx長さ60mmの銀版ができたので1.5mm厚に圧延ローラー
で伸ばして行きます。 - 7号リングに必要な長さは、以下の計算式の長さに糸鋸でカットします。
(15mm+1.5mm)π=51.81mm - 必要なサイズの銀板の裏側に950silverの証明としてsilver刻印をハンマーで打刻します。
- また左の作品の様に表面に槌目の模様づけをする場合、オタフク槌や金槌などで模様付けします。
- 銀板のエッジを荒目、中目、細目、油目の4種の組ヤスリを適度に組み合わせバリを取ります。
- 金属のリングサイズ棒や矢坊主を使い丸太上でプラスチックハンマーで打ちつけ指輪状に丸みを持たせて行きます。
- 両端がうまく重なる様に微調整しながらロウ付の工程に移ります。
- 両端の繋ぎ目にロウ付補助材であるフラックスと銀ロウを乗せブローパイプ(当工房ではLPガス用でエアーポンプでエアーを送り火力調整します)でロウ付します。
- ロウ付が出来たら水に浸し冷却し、ロウ付でできた酸化膜除去に市販のピックルで酸洗いし、処理後は水で充分に洗い流します。
- 次にリング棒に通し7号サイズに微調整すべくプラスチックハンマーで打ちつけ形を整えます。
- 形が整ったらエッジ処理としてキサゲにてリングの内側や地金の角を落とします。
- 最終段階として、表面研磨で400番〜1000番の紙やすりやヘラ、リューターに青棒などの研磨剤を付けたバフを取り付け研磨します。またグラノールと言った研磨剤をセーム革に付けて磨くことも主流です。